Southern Style Breakfast

かつてアメリカのジョージアにある大学に通っていたころ、学内に一軒だけとても南部っぽい料理をだしてくれるカフェがあり、 ここに朝10時半までに行くと、いかにも南部って感じの朝食メニューを食べることが出来た。

日本でも今日ではパン食の朝ごはんはとても一般的だから、アメリカ南部の朝ごはんといっても、 これと言って目新しいものはそんなにない。でもまず最初に着目したいことは、朝ごはんとして食べられる メニューの豊富さ。シリアルに牛乳だけの朝ごはんで済ますなんて、ちょっと南部ではもったいない。

まずパンはそのままトーストにしてもいいけど、シナモンをたっぷり加えたフレンチトーストに。 それも白いパンじゃなくて、胚芽の入った茶色いパンを使うのがこちらっぽい。 シロップをたっぷりつけたパンケーキは、ブランチに最適。 バターミルクで ふんわり焼き上げたビスケットは南部の伝統的な家庭の味。 卵は目玉焼きにしてもいいし、チーズがたっぷり入ったこってりしたスクランブルエッグも捨てがたい。 卵に添えられことが多いのが、ソーセージやかりかりに焼いたベーコン。ベーコンはこれでもかって いうほとたっぷり添えられるのが南部風。ソーセージは ブレックファストソーセージという豚肉のパテのようなソーセージがよく食べられている。 これでつくった ソーセージグレービーにビスケットを添えるのが古典的な南部スタイル。 そしてなんと言っても南部の朝食にかかせないのが、グリッツ(grits) である。

グリッツはコーンの白い部分だけを挽いて粉にしたもので、これに水を加えて加熱して、とろみをつけて、 お粥のようにして食べる。南部のスーパーでは、電子レンジや鍋で簡単にできるインスタントなものから、 old-fashoned と呼ばれるようなクラッシックなタイプのものなど、多くの種類のものが売られている。 塩とバターだけでシンプルに食べる、 クリーミーグリッツが一般的だが、チーズやとうがらし、ガーリックなどを加えた、 チーズグリッツなど、その 味付けにもいろいろとヴァラエティがある。

Pancakes

南部に限らず、 パンケーキ はアメリカの朝ごはんには欠かせないメニューの一つだ。 精白した小麦粉でつくったパンケーキや、 全粒粉でつくったパンケーキ など、小麦粉の種類を変えたもの、また ブルーベリーパンケーキや、 バナナパンケーキなど、フルーツを加えたものなど、色々なヴァラエティが ある。 アメリカのスーパーに行くと、簡単にパンケーキが作れる、 パンケーキミックスがところ狭しと並んでる。 でも市販のパンケーキミックスを使わなくても、手軽な材料だけで、 パンケーキは簡単に出来てしまうので、ぜひホームメイドパンケーキをお試しあれ。牛乳とベーキングパウダーだけ でも問題ないが、重曹とバターミルクを使うのは南部流。私はバターミルクの代わりに、プレーンヨーグルトを使う ことをぜひお勧めしたい。生地に粘りが出るので、焼くときに成型しやすくなる。どのくらいの大きさに焼くかは、 全くの自由だが、アメリカのパンケーキは日本のもの比べるとに少し小さめ。小さめのをたくさん焼いて、たっぷり 食べると言うのがアメリカ流だ。パンケーキに添えるシロップは、メープルシロップや、市販されているパンケーキシロップなど を使う。パンケーキシロップは、ダークコーンシロップにメープルの風味を加えたもの。純粋メープルシロップ はアメリカでも、少々貴重品でお値段も高め。特に、メープルはもともと寒い地方のものなので、南部ではダーク コーンシロップがもっぱら主流のようだ。

French Toast

日本でもおなじみのフレンチトーストだが、アメリカの朝ごはんでもよく登場する定番メニュである。 薄めにスライスした食パンやフランスパンに、卵と牛乳を含ませてから焼くシンプルなメニューだが、 アメリカのフレンチトーストは、これでもかっていうくらいにシナモンを使うのが特徴。 そのまま食べてもよいが、パンケーキと同様に、メープルシロップや、パンケーキシロップを かけて食べることが多い。ちょっと豪華な一品にしたいときは、 フランスパンを使って作った、 オレンジソースをかけたフレンチトーストなどがお勧め。

Quiche

パイ生地をタルト型に入れて、チーズと卵を入れて焼き上げたのがキッシュ。 アメリカでは卵料理は典型的な朝ごはんメニューーというイメージがある。 卵をつかったキッシュは、ちょっときどったブランチメニューと言った 感じだ。 チーズの他に入れる具は、 ベーコンとアスパラガスのキッシュや、 トマトのキッシュ、 蟹のキッシュなど、 お好きなものを丁度ピザの具を選ぶような気持ちで選択すればよいだろう。